ロシアワールドカップがついに始…
JRA所属の女性騎手藤田菜々子騎手が、ついに31勝目をあげ、JRAのG1レースに騎乗する権利を手にしました。
この記事は、藤田菜々子騎手がG1レース最短で騎乗する予定を考察します。
さらに騎手がレースで馬に乗るまでのエージェント制度を見ていきましょう。
JRA所属の女性騎手、藤田菜々子騎手が6月17日の東京競馬3Rで1着となり、通算31勝目をあげました。
JRAの規定により、JRA主催のG1レースに騎乗するには通算成績で30勝以上を収めている必要があります。藤田菜々子騎手は2018年での通算31勝ライン突破がかねてよりファンの間では待たれていました。
確かに菜々子騎手は31勝目をマークし、G1騎乗の資格は手にしましたが、実際に騎乗依頼がくるかどうかはまた別問題です。
G1レースのふるゲートは18。つまり最大で18頭、騎手も18人です。競馬の最高峰のグレードレースに菜々子騎手が騎乗するには、あとなにが必要なのでしょうか?
近年、騎手に騎乗を依頼する場合、直接本人に依頼したり、あるいは所属の厩舎の調教師(親方)に依頼するのではなく、専属の契約を交わしている騎乗依頼代理人(エージェント)に依頼がきます。
エージェントはプロなので、自分が契約した騎手の騎乗依頼がとれるように馬主さんや調教師さんに営業をかけてまわります。
ここで注意が必要なのは、馬は馬主さんの所有物なので、誰を乗せるかは最終的には馬主さんが決めます。調教師さんではありません。
もちろん調教師さんの意見は聞きますが、あくまでも意思決定権は馬主さんにあります。
奈々子騎手が契約を交わしたエージェントは関東のトップジョッキーの1人戸崎騎手と契約しているエージェントです。
戸崎騎手に先約があり、騎乗を断らなけれならない時などは当然奈々子騎手を含めた契約騎手の営業します。
得に2018年現在、彼女は減点騎手ですので(新人騎手にあたえられる特典。斤量が軽くなる)、平地のレースであれば他の馬よりも3㌔、2㌔、軽い斤量で騎乗できる恩恵を全面にだした営業をしています。
G1レースに減点騎手が騎乗する場合、斤量が軽くなる特典はありません。
つまり、奈々子騎手がG1レースに騎乗するということは、ベテラン騎手と全く同じ条件で仕事をするということになります。
この条件で依頼を受けるのは相当に腕をあげないとまず難しいことは想像にたやすいですよね?
ですから、今回の報道は、とりあえずG1には規定上乗れまっせ! というものにすぎません。
これからのG1レースで常に菜々子騎手の騎乗が見れる…かどうかは彼女の腕次第、営業次第といったところです。
騎手としての力量だけで推し量ると、少なくとも18年に見られることはないです。騎手としての技術からして、減点得点なしで彼女を乗せるメリットが全くありません。
しかし菜々子騎手は新人騎手の中では相当に乗れる騎手であり、決してへたくそな騎手ではありません。
これは菜々子騎手の名誉のためにもキチンとフォローしておかなくてはなりませんね。
そもそもデビュー2年目の新人が、男子も含めてこの時期に31勝を達成するのはかなり早いです。
実際彼女の騎乗を注意深く見ますと、騎座の不安定感は否めないながらも、馬とのリズムがよく、またステッキ振りもコンパクトでセンスを十分に感じるものです。
「かわいい女の子の騎手」という色眼鏡だけで31勝は無理です。また、彼女の騎乗力は今後ますますアップするので、実力で有力馬に乗る日は必ず訪れます。
時間はかかっても、G1初騎乗のニュースが飛び込んでくる日は必ずやってきます。でもそんなにすぐではないです。
しかし早期実現の可能性は実はあります。馬主さんで
「僕の馬を乗せてあげるよ。勝ち負け? いいからまずは乗って経験をつみなさい」
こんな優しい言葉をかけてくれるような応援馬主さんがいれば、騎乗できる可能性はあります。スポンサーみたいなものですね?
そんな馬主さんいるんですかね?
はい、コパノリッキーの馬主さんで、風水で有名なドクターコパこと小林祥晃さんです。
彼は以前番組で奈々子騎手を応援するという旨の発言をしています。
もしかしたらコパノ〇〇という馬でG1レースに騎乗できるかもしれませんね。
ただし小林オーナーの馬で現在G1に出走できそうな馬は残念ながらいません。
JRAのレースでいくと最短は秋のG1スプリンターズSですが、その前に地方競馬のG1があります。
直近では6月27日に行われる大井競馬の帝王賞があります。
このレースに出走するJRA所属馬で騎手が未定なのはアポロケンタッキーとオールブラッシュです。
良馬とも関西馬ですが、はたして?
先ほども書いた通り、菜々子騎手の騎乗にはセンスを感じます。
女性騎手という肩書を超えて、勝てる騎手、名手として活躍できるだけのものがあります。
ので、今後彼女に必要なことは一にも二にも騎乗数を増やすことです。JRAのレースだけでは足りません。
平日の地方競馬にもJRAの馬が出走する際には積極的に騎乗するとよいでしょう。
また、3ヶ月でも半年でも良いので長期の滞在で海外競馬で修行をすることが望まれます。
かつて、故後藤浩輝騎手が若干21、22歳で単身渡米し、苦しみながらもアメリカ競馬で揉まれたことで帰国後先行抜けだしの競馬で勝ちを増やすことに成功しました。
後に後藤騎手はアメリカでの経験が自身の騎乗に大きな影響を与えたことを語っており、外国の競馬で恐ろしくハングリーな現地の騎手たちに揉まれながら経験と技術を積む機会があれば、菜々子騎手は日本人騎手の中でもトップの騎手に慣れる素質をもった将来有望な若手騎手です。