スピッツの名曲「ロビンソン」誰…
スピッツのファンを25年くらいやってますクスコです…
スピッツの楽曲って、中にはとても難解な解釈を要求される曲がありますよね~。
アルバムに収録されている曲の中にはタイトルが
など、タイトルだけではどんな曲なのか、想像すら難しい曲もチラホラ。
今回、わたしがどうしても取り上げたかったのは「雪風」という曲です。
シングルカットはされていないのですが、岡田将生さん主演ドラマ「不便な便利屋」のエンディングの曲として使われました。
この曲はドラマ制作側からのオファーがあって、マサムネさんがドラマのイメージに合わせてあて書きした曲だったと記憶しています。
ドラマが北海道が舞台の作品のためか、タイトルも「雪風」となっていますが、この曲は本当に北海道の雪景色を描いた作品かな?
ということです。
わたしはそうは解釈しませんでした。
この曲、数あるスピッツの楽曲の中でも屈指の世界観だとわたしは思います。
3分もない短い曲ですが、マサムネワールドが炸裂しています。
この曲の歌詞を何度も読み返してみると、意外と直接的な表現で「僕」と「君」の置かれている状況がわかってきます
歌詞を読んですぐにわかることは以下です
一方で、パッと歌詞を読んだだけでは何のことかよく意味が理解しずらいのは以下のフレーズでは?
では一つづつ見ていきましょう!
Bパートで、夢から覚めたら…の直接的な表現があるので、そこからの解釈
わたしは「僕」がすでに望まない形でこの世を去ってしまったと解釈しています。
なぜか? 「僕」は物理的には会えないけど、他のやり方で「君」と触れ合っているからです。
それは、夢の中に入る…ということです。
夢の中に入る…のは、「君」が眠っていることと、「夢覚めたら…」の直接フレーズから、そうかな? と思っています。
「割れた欠片」というのは、二人で過ごした楽しかった日々かな? と考えています。
前述で、望まない形でこの世を去ってしまった…と書きましたが、そう考えているのは、割れた欠片…の表現からの推測です。
コップや、ガラスなど、一般に「割れる」という表現が当てはまるものが壊れるとき、2パターンあります。
一つは、なにも外的な衝撃を受けずにそのまま1万年くらい放置されていれば、それは経年劣化で土にかえるでしょう。
形あるものはいつか壊れるとはよく言ったものです。
でも「割れた」っていうことは、経年劣化ではないと思いませんか?
つまり、なにか不意に外的なショックを与えられたり、ダメージを負った時に、皿は割れますよね? パリーンって。
だから「割れた欠片…」の歌詞のくだりは、なにか予期せぬ出来事で引き裂かれてしまった「僕」と「君」の運命を感じさせるフレーズになっていると考えています。
わざわざ「割れた」と表現しているのが、ミソかな…と。
で、「僕」が探しているのは「同じもの」であって、現物ではない…というのも見逃せない表現かな…と。
もう会えないので、「もどらない楽しかった日々=欠片」の再現も修復もできないし、二度と一緒の時間も過ごせないので、「思い出=同じもの」を探している…と解釈しました。
で、どこで? どこでその楽しかった二人の思い出をさがしているの?
それがこの曲の世界観の最大の謎だと思います、謎解きは後述しますよ、離脱せずにスクロールダウンしてくださいね?
ちょい長いですが、ここまで読んでしまったらもう読まずにはいられませんよね?
うそ!っていうこの曲の解釈、シェアしてってください。
これもCパートの冒頭で「パリパリの~」で直接表現していますね。
後述しますが、このフレーズで超大事なのは、パリパリになっていることです。
涙でほほが湿っているのではなく、パリパリなんです。
涙がパリパリになる条件とは?
もうこうして書いているだけでもさ~、マサムネさんの天才っぷりにぞくぞくする…
ここまでくるとね、曲っていうより、小説だよ…
Aパート、Bパート、Cパートが1章、2章、最終章っていう構成にしっかりとなってるし。
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さて、ここまで読んでいただいて、この曲の世界観の半分くらいは飲み込めたとは思いますが、確信にせまるのはここからですよ?
Bパートの出だしで、「僕」は「君」ともう触れ合うことはできない…と歌われています。
ということは、Aパートの全てのくだりは、すでに「亡くなってしまってこの世にはもういない僕」の行動なのかな?
と、理解度が一歩進みませんか?
この曲の解釈で一番難解なのは、「僕」がどこで「割れた欠片=日々の思い出」を探していて、「君」に問いかけているのか? だと思っています。
「これでいい?ダメ?他のがいい?まじかよ~、けっこうたくさんあるよ、僕らの思い出…」
みたいな感じです。
しかも、その問いかけの方法は? どうやって問いかけてる? その「僕」の問いかけに対して「君」のリアクションは?
この辺がわかってくると、「そういう解釈もありか~」ってなりますよ、きっと。
では、続けましょう。
まばゆい世界っていうのは、「君」のこころの中だと推測しています。
もうちょっと具体化して表現すると「記憶の保管庫」かな?
そこに「現実の世界にはいない僕」がダイブするんです、エイみたいに、ひらひらと。
エイのくだりだけは、わたしにもわかりません(笑)
「君」の心にずかずかと入っていく…というよりはヒラヒラと泳いでいくイメージなんでしょうか?
なにしろ「巻き戻し」の海原を泳いでいるわけですしね。
「楽しかった日々の思い出」=「割れた欠片」の「録画ファイル/思い出」=「同じもの」を探すことが目的ですから、「君」の記憶の海の時系列をさかのぼっていかなければ、たどり着きませんよね? 過去の記憶なので。
だから巻きもどし…という表現なのかな? と考えています。
前述の通り、二人で過ごした日々=割れた欠片
それと「同じもの」=記憶または思い出
だと考えています。
「僕」は眠っている「君」のこころの中の「記憶保管庫」のような場所にきています。
そういう触れ合いの方法もあると、歌ってますしね?
なぜか? 「僕」がいなくなってしまって「嘆いている君」に成仏してあの世へ行く前に、あるものを見せたいからです。
あるもの…とは、もう一回書きますが、「割れた欠片=楽しかった日々」の「同じもの」=「記憶あるいは思い出」です。
いつまでも悲しんでいても始まらないし、笑顔になってほしい!そうじゃないと成仏できないよ!
ということで、「君」に楽しかった日々の思い出を見せてあげたいのです。
だから、「これでいい?」って、問いかけているんだと思います、「君」の心の中で、「夢」として思い出ファイルを再生してあげることで見せてるんです。
そう、「僕」の目的は、成仏する前に「君」に楽しかった日々の思い出を、夢として見せてあげたい!
ってことなのかな? っていうのが、わたしの雪風という曲の解釈です。
これは、「猫になりたい」という曲が存在する以上、マサムネさんの感性としてはあり得るのでは? と考えています。
「猫になりたい」も亡くなった恋人が眠る墓地の隣りにアパートを借りて住んでいる僕…というストーリーですからね…ざっくり言うと。
で! その「君」のこころの中の景色はどんな感じなの?って言ったら、まばゆい世界なんでしょうね、きっと。
真っ白な世界。
さらに「記憶保管庫」たる思い出のある場所…「僕」が一生懸命「思い出」を探している場所ですが…そこは……雪だった。
晴天でも曇りでもなく、雪…からの、風までふいてます。
穏やかな雪ではなくて、雪が風に舞っている感じでしょうかね?だから「雪風」
きっと「君」の感情が揺れ動いているからでしょうか?そして泣いているからでしょうか?
最後の3章に行く前に、
これはマサムネさん独特の表現で、スピッツの曲ではたびたびこのような表現がでてきますよね?
愚かな言葉=愛の言葉
でいいと思います。
過去には「魔法の言葉」なんていうタイトルの曲もありました。
2章の最後、愚かなことば…の後からの間奏が、なんか讃美歌っぽく聞こえてしまうわたし。
この間奏の間に、「僕」の魂は成仏してしまったっぽいです。
2章までは、直接会えなくても夢で会うような、そんな方法もあるよね…って言ってますが、3章で「君」が目を覚ました時にはおそらく「僕」は成仏してこの世に完全にいません。
温かいはずの日の光まで、冷たく描写しているのは、「僕」の存在を吹っ切って、一人で生きていく決意をした「君」の世界観を表しているように感じました。
マサムネさん、「輪廻」って言葉を作詞の中で何回か使ってますよね?
「青い車」とか。
輪廻転生って、生まれ変わることです。
仏教の流派で49日たつと魂は次の生命体に転生する…という考え方もあります、法事と逆の考え方ですね。
だから、最後に、(魂が転生する前に)伝えたかったことは、自分ではない誰かを愛せるようになるから、その時、今夢で見せたような、「僕にかつてみせてくれた笑顔」をその人にもみせてあげられるようになってね?
そしてその自分を誇れるように生きてほしいな~って、そういう意味の「君は生きてく~」の下りの意味だと解釈してます。
で!で!
なんで涙がパリパリなのか!
これが、けっこう重要に思えるわたし。
なぜなら、流れた涙がかわいてパリパリになるまでには、けっこうな時間がかかるという事です。
自分のこころの中に入ってきて、楽しかった思い出を夢で見せてくれている「僕」に気が付いて、は!っと目が覚めたのなら、涙はまだ乾いてはおらず、ほほは涙でぬれてますよね?
でも乾いちゃってるんです、泣きながら夢を見ていた時から、時間がたってるから。
その間に「僕」は成仏しちゃったんだと思ってます。(間奏が流れている間に、う~~う~~う~~って)
あくまでも「僕」がこの世ににいないという前提をくずさないわたし!
しかも、解釈次第では、夢から覚めた「君」が最初に見た世界が1章の冒頭の「まばゆい白い世界」だった…ともとれます。
つまり、この場合、うる星やつらの映画版で、押井守監督作品「ビューティフルドリーマー」と同じく、ラストのエンディングを冒頭部分にもってきているという手法、つまり雪風の世界は無限ループしている…という捉え方もできます…
無限ループといえば、進撃の巨人ですけどね!
どーでしょう?
スピッツの曲の解釈は人それぞれちがうので、正解はありませんが、共感してもらえる部分はあったでしょうか?
スピッツの曲、ちょっとずつわたしの解釈を配信していきますので、よかったらまたお越しください。
長い記事になってしまいましが、最後まで読んでくれた方、スピッツがガチマジですきなんですね? わたしもです! どうもありがとうございました。