今日はZOZOスーツについて調…
芦沢央さんの新刊「火のない所に煙は」を読みました。けっこう怖いです…
ネタばれといっても全部ばらすのではなく、
「やっぱり買って読みたい！」
と思ってもらえるようにかるくぼかしてあらすじを紹介します。
全6話で構成されていますが、今回はさわりの第一話をぎゅっとして紹介します。
「私」は大学時代の友人ＳにＳの高校時代の友人Ｔを紹介されます。
「私」とＴ，Ｓは全員女性です、ちなみに。
飯田橋の居酒屋チェーンで落ち合います。（最初は神楽坂で…と提案したがＴが神楽坂を嫌がった…）
「私」は雑誌の編集をしている女性です。
Ｔは「私」に雑誌で紹介されていたお祓いができる人を紹介してもらえないか？ という相談を持ち掛けてきます。
なぜですか？ と問いただす「私」
するとＴはいきさつを語りだします。
神楽坂の母と呼ばれていた知る人ぞ知る占い師に当時付き合って半年になる彼氏と一緒に占ってもらったところ、
「不幸になる」
と言われたとか。
それを聞いた彼氏が怒り出し、そのまま占い師の家を後にします。
Ｔはその彼氏の激怒の仕方に不安を覚え、結婚したいと思っていた気持ちが揺らいでしまいます。
半分冗談、半分本気で「別れる？」と問いただしたところ彼氏はこれまた激怒。
「別れるなら死んでやる」
的なことを言い出す始末です。
その後、彼氏はどんどん「ダメなヤツ」になっていきます。
Ｔが仕事で忙しいと言えば、
「仕事と俺と、どっちが大事なんだ？ 会ってくれなきゃ死んでやる」
…的な発言が飛び出したり。
完全にＴは疲れちゃったんですね。
Ｔは彼氏が手首に包帯を巻いて現れたのを見て、ちょっと厳しいかな…と観念します。
このあたりからＴの彼氏には危険なフラッグがたってますけどね。
続けます。
ある日Ｔの彼氏はＴに「夜の12時までに会ってくれなければ死ぬ」と言い出しますが、Ｔは仕事にかかりっきりで頭がそちらに回りません。
現実から逃げたくなったＴは携帯の電源もＯＦＦってしまいます。
約束の12時をとっくにすぎた翌日の正午、ようやく携帯の電源をＯＮにすると、意外にも彼氏からの着信がありません。
？？？と思いつつ、あ～良かった、と思っていたら、あらやっぱり。
彼氏は自ら命をたっていました。
神楽坂で車のハンドルを切りそこなって電柱に激突したとか…
なるほどそれでＴは神楽坂で落ち合うのを拒否していたんですね…
で、話はこっからですよ。
Ｔは広告代理店に勤務しているんですね。広告の集積所が神楽坂にあって、全部一斉ににそこで印刷されて集配される仕組みだとか。
ある日電車の中吊りの広告に「染み」がついてしまっているとクライアントからクレームが。
第一話のタイトルですね、「染み」
確認すると確かになんかインクのような赤黒い「染み」がついています。
筆でつけたような…
その場はお詫びして済ませますが、その後「Ｔが担当した広告にだけ、毎回赤黒い染みがつく……」という展開に…
あれ、もうちょっと怖いな～。
「人為的な嫌がらせでは？」と確認する「私」とＳ。
しかし、それはありえないんだそうです。
なぜなら……その赤黒い染みをルーペで拡大してみると、
あやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれあやまれ
ぐひゃ！怖い～。これは怖い～。まじで、これは怖い。
作者の芹沢央さん、怪奇物初挑戦って、ほんとですか？ かなり怖いんですど…稲川淳二さんの怪談といい、「神楽坂」とか「広告」「染み」とか、設定がリアルだから怖いですよね～。
はあ～。（いったんここで読むのをやめたヘタレな僕）
しかしこの「あやまれ」が実はＴの彼氏がＴに、自分に対して「あやまれ」という意味ではなかった可能性が！
というところから物語が面白くなっていきますよ。
もうちょっとだけ書くと、この「あやまれ」は、Ｔの彼氏のＴに対するダイイングメッセージになっているのか？という感じです。
果たして神楽坂の母なる占い師とは？ Ｔの彼氏はこの神楽坂の母に呪われたのか？
と、ここまでにしておきますよ。
面白いですね～。6月22日に発売後、一部書店では売り切れて入手できない事態になっています。
アマゾンであればオンライン版で入手可能ですね。
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まさに夏の怪談話とはよく言ったもので、夏だからこそ、この手のミステリーが面白いですね。
読み応えのある一冊であることは間違いないです。
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