ジブリ映画の中でも大人の作品感が強い「紅の豚」
1992年の公開ながら、いまだにテレビで放送される際は高視聴率をたたき出す、不朽の名作です。
魔法で豚になってしまった飛空艇乗りの賞金稼ぎ、マルコあらため、ポルコ・ロッソの生きざまと、イタリアのその時代の背景を描いた作品です。
なぜ豚になってしまったのか? はまた別の機会に書くとして、この作品はジブリのその他の作品ほどバシッと最後のエンディングで結末をだしていないんですね。
たぶん、この記事を読んでくれている方の多くも、結局紅の豚の最後って、どうなっちゃうんだっけ?という理由でこの記事にたどり着いていると思うんですよね。
あるいは初めて「紅の豚」を見て感動した若い世代の人が、ポルコとジーナのその後のあらすじの答えを求めて来てくれているのかな?
私は当時映画館でこの作品を見ました。
その帰りに「おもちゃのマミー」で飛行機のプラモデルを買いましたね…
やっぱり感動したんだと思いますよ、子供ながらに。
あと、紅の豚のフィルムブックも買ったな…
ちょっとだけ、紅の豚のトリビアも織り交ぜつつ、「紅の豚」の最後について、エンディングのその後について書いていきますよ。
「紅の豚」の舞台はクロアチアのドゥブロヴニク
「紅の豚」と「魔女の宅急便」の舞台になったと言われているのはクロアチアにあるドゥブロヴニクという街です。
この街の住宅はオレンジ色の屋根をしており、写真で見ると、確かに「魔女の宅急便」でキキが住むことに決めた「コリコの街」にそっくりです。
海を見下ろせる高台もあるみたいだし。
「紅の豚」の時代背景は第一次世界大戦の後のイタリアです。
作中には当時のミラノの街並みを空から眺めた描写がありますが、モデルはドゥブロヴニクだそうですよ。
中世の街並みが今も残る古都、一度行ってみたいです!
バルカン半島ですよ!
フィオが語るエンディング…その後のマルコとジーナは?
「紅の豚」のエンディングは、フィオの語りで終わりますよね。
ジーナとは友達になった…というくだりですね。
エンディングの話に行く前に、軽ーく、ポルコとジーナの関係をおさらいです。
ポルコとジーナは子供の頃からの関係です、いわゆる幼なじみというやつです。
ジーナはこれまで3回結婚していますが、旦那にはすべて先立たれてしまっています。
3人の結婚相手はすべてポルコのマルコ時代の知り合いか、友人なんで素よね…
もしかしたら、全員飛行艇乗りだったのかも?
3人とも戦争で命を落としているようです…
当然ポルコもずっとジーナの事は好きなわけです。
ポルコの望みは必ずしもジーナと一緒にになることではなく、幸せなジーナを見守ることなのかもしれませんね。
ジーナ曰く、ちょっとアメリカの恋愛観とは違う…そうですからね。
耐え忍ぶ愛……みたいなもんでしょうか?
ポルコがジーナに告白しないのは、これ以上ジーナに悲しい思いをさせたくないからだと思います。
飛行艇乗りの自分と一緒になって、もし自分が撃墜されて命を落とすようなことになれば、ジーナにとっては4回目の悲劇になりますからね。
カーチスみたいなナンパな男ではなくて、しっかりした身持ちの固い男が相手であれば、再びポルコはジーナを祝福するのでしょうか?
また、ポルコはジーナに片思いだと考えていたのかもしれませんが、カーチスとの決闘の際に、ジーナが毎日自宅の庭でポルコが飛来してくるのを待っている…ことを知らされますよね。
さて、そこで、ポルコはひと夏の騒動のその後、どーしたのでしょーか?
エンディングの絵にしっかりとその答えは描かれていますね。
ホテルアドリアーノの裏口の桟橋(関係者用かな?)にポルコの赤い飛行機、サヴォイアが停泊しているのがわかります。
丁度フィオを乗せたプライベートジェットが旋回するあたりのシーンでちょこっと描かれていますよ!
宮崎駿監督は、しっかりと親切に「ポルコとジーナのその後の人生」を描いてくれていますね。
でも実は視聴者には厳しいアーチストですよね。
「見てわかれ!」ってことです。
みなまで言われなければわからないじゃなくて、想像力を働かせてね? ということだと思います。
ポルコは魔法が解けて、再びマルコとして余生を過ごすのでしょうか?
さて、どーでしょうか?
少しだけ心を開いたフィオにはポルコが人間に見えた…という描写から、ポルコの魔法が解けるのは、ポルコの人間に対する負の感情が無くなった時なのかもしれません。
また宮崎駿監督は、常々このポルコは人間に戻るのか? にまつわる質問をされ、いい加減ムカついたそうです。
人間に戻る必要があるのか?
また、視聴者がそこにこだわる理由が天才の感性では理解できないようです。
「紅の豚」のトリビア ポルコがジブリアニメ「海が聞こえる」に友情出演!?
さて、こっからは、プチトリビアを。
まあ有名なこぼれ話ではありますが、ポルコが他のジブリ作品に出演しているというもの。
事実ですから、もし手元に作品があったら確認してみてください。
宮崎駿監督作品ではないジブリアニメ「海が聞こえる」という作品があります。
原作は氷室冴子さんの小説ですね。
この作品の中にポルコが「友情出演?」しています。
主人公の森崎君の通う高知の高校の学園祭のシーンで、売り子さんの「うどんはいかがですか?」 という呼び込みのあたりで、長机にすわってうどんを食べている?のかはわかりませんが、飛行服を着た豚らしき生き物が座っていますよ。
ちょっとカメラ的にはロングの空撮みたいなアングルのシーンですね。
ジブリ作品は、けっこう他のジブリ作品のオマージュをしたりするので、気が付くと楽しいですよね。
ラピュタにもトトロが出演していたり…
「紅の豚」、英語版で見ると、また違った面白さというか、カッコよさがあっていいですよ!
それでは、読んでくれてありがとう!
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